我が家では1年に1度、家族写真を撮る習慣が有るのですが、
昨年は、少し違った形で思い出を残しました。
そろそろ家族写真を撮りに行こうか。父のその一言で、母はウキウキ。
何故ならその為に新しい洋服や靴を新調出来るから。そりゃあそうなります。
もちろん私や妹も母と同様、ウキウキ。今年はどんな洋服を買ってもらおうか、食卓はその話題で持ち切りになりました。
しかし、ある日、父が一言。今年は今までとは違う形で思い出を残そう!と言いだし、具体的な中身を聞いてみると、父の会社の同僚が、定年退職し、幼い頃からの夢だった画家を志し、小さな個展を開くようになったとのこと。
そして、その方の絵は非常に優しいタッチで、心が和むので、是非、我が家の家族をその方に絵として残してもらおうということだったので、それはそれで面白い!と、絵を描いてもらうことになりました。
そしてある日、貴重なお時間を割いて頂き、アトリエにお邪魔したのですが、写真とは勝手が違って、何時間も同じ姿勢で動けず、帰る頃には皆、お疲れモード。
もう二度と絵はいい。やっぱり写真にしよう。帰りの車の中は、そんな愚痴で持ち切りだったのですが、後日、宅急便で届けられた絵を見たときの喜びは今でも忘れません。
とても綺麗な額縁に収められていたのですが、一人一人の表情にきちんと個性があって優しく繊細な色合いで、仕上げられていました。
私たち家族の“家族らしさ”が、きちんと再現されており、父も母も感涙。
カメラという機械を通してリアルな私たちを切り取ったものよりも、人の手で繊細に描かれたもののほうが遥かに温もりを感じられるような気がしました。
というわけで、それ以降、もちろん今年も、私たち家族の絵を依頼する予定です。今度は一人一人の似顔絵を描いて頂き、一つの額縁に収めてもらうつもりです。